ishimura necomesi blog

B2B Webマーケティング、CMS、UXD、その他Webに関する気になったことを投稿します。

UX Strategyって呼び方

かねてからUX StrategyUX Strategistという呼び方には違和感を感じていましたが、「いま、UXについて世界の最先端で起こっていることを学ぶ」(by 長谷川さん、井登さん)に参加した結果、もはや不適切な呼び方だなと思いました。

 

お二人が参加した世界の最先端のカンファレンスでも大きく2種類の意味で使われているとのこと。

・「UXDの上流工程」をUX Strategyと呼ぶ
・「UXD for 事業戦略」をUX Strategyと呼ぶ

 

この意味の違いは大きく、コミュニケーションの障害になったり、理解の障害になるのは容易に想像できますし、バズワード扱いされる原因にすらなっているのではと思います。

 

身の回りでも、「UXD for Webマーケティング」や「UXD for オンラインサービス」的な意味で使っている人もいてほんと様々なのです。

これだけ階層やフェーズ、分野の異なる様々な意味合いを「UX Strategy」とひとくくりで呼ぶのは無理があります。

 

さらにで恐縮なんですが、個人的には「UXD for ○○」というのも少し違和感があります。

立ち位置の違いだと思いますが、我々がUXDなどの手法を利用する目的は「マーケティング」や「オンライン・サービス・デザイン」などで成果をあげることなのであって、UXDのアウトプットは中間成果物です。 その目的は同じなんでしょうが、UXDが主眼になっていそうだなというイメージを与える呼び方は良くないと思います。

 

長いですが以下の呼び方がしっくりきます。

UX指向のWebマーケティング
UX指向のオンライン・サービス・デザイン
UX指向のユーザビリティ改善

長すぎるし新しい感じがしないのが難点です。w

が、地道に取り組むべき分野としては適切な呼び方なのではないかと。

 

次週はUXの地道な取り組み方について書きます。

 

B2B WebマーケティングにはオープンソースのCMSがおススメ

 

WordPressとかいった話ではなく、中規模以上のサイトに導入するCMSの話しです。

 

B2B Webマーケティングの現場では、はっきりとした成果を求められることが増えています。
また、かつてのようにコンテンツ管理のレベルを向上するためのCMSに多額を投資する時代ではないと思います。
限られた予算を可能なかぎりマーケティング施策のレベルアップそのものに振り向けなければなりません。

 

しかしながら、コンテンツが増えてくるとCMSがないと困ることも事実です。
そういった状況においては、オープンソースCMSがオススメです。

 

Internet、デジタル技術の恩恵で、お金を使わなくても、知恵と手間で勝てる局面が増えています。

目の当たりにして、知恵をつかってお金をつかわないやり方がスマートだという価値観の人も増えています。

現在のコンテンツ管理においては、オープンソースCMSがもっともスマートなやり方だといえるでしょう。

 

オープンソースCMS(中規模サイトに適したCMSも含めて)は数年前に少しだけ注目を浴びました。 Web担当者フォーラムなどでも取り上げられました。
一度は検討した人もいるのではないかと思います。


現状はというと、しっかり改善が続けられ、確固たるポジションを獲得した製品がいくつか存在します。

その一つの証拠して、海外では非常に多くのサイトオープンソースCMSで管理されています。

 

日本語、中国語など多言語への対応も進み、レベルの高い製品から選ぶことが可能です。
ワークフロー機能が弱いなどの弱点もありますが、コンテンツ管理のコアな機能については必要十分です。

 

コアな機能に絞って評価すると中途半端な有償のCMSよりも良くできていると思う製品も存在します。
オープンソースCMSを使ったことがない方にはにわかに信じがたいでしょうが、海外を中心にそういう環境ができあがってきています。

 

コンテンツの多言語対応だけでなく、メニューの日本語を含む多言語対応さえも実現されています。

といっても、懐疑的な方が多いのではないかと思います。


ということで、次回は弊社が利用するオープンソースCMSのうち、MODxの機能を簡単にご紹介しようと思います。

それから、CMS選びの前提となる、CMSのROIに関する考え方についても触れたいと思います。

B2B Webマーケティング 「販売パートナー施策 検討時のポイント」

販売パートナーを含めたWebマーケティング施策を検討する際にとても重要だと感じているポイントをまとめます。

 

直接販売だけでなく販売パートナーを通して販売する事業形態においては、自社のWebマーケティングを行うだけは不十分なので、販売パートナーのWebマーケティング施策を含めて取り組んでいく必要があります。販売パートナーの先いる顧客が、購買にかかわる体験に不満をもっている状況ではなおさらです。

 

代表的な施策の方向性をあげると、

  • 販売パートナーの集客を拡大する施策:共同プロモーションなど
  • 販売パートナーの成約率を向上する施策:一次選定、最終選定時に有効なコンテンツの提供など
  • 販売パートナーのサービスを向上する施策:初心者のスタディに有効なコンテンツ、運用時に必要となるコンテンツやツールの提供など
  • 販売パートナーの運用工数を低減する施策:EC事業者からの相談や問い合わせを低減するコンテンツの提供など

のだいたい4つの方向になります。

具体的な施策は商品が提供する価値をベースにし、競合他社の状況を加味しつつ検討するので様々です。 しかし、施策に共通していえるのは、販売パートナーの先にいる顧客にベネフィットを提供できるかどうかが成功を左右するということです。

顧客にベネフィットを提供することで販売パートナーの売上を拡大し、結果的に自社の売上を拡大するというスタンスを基本とすることが成功の絶対条件になります。

 

販売パートナーが自社の製品のみでなく競合他社の製品もあわせて扱っているケース(実際によくあるケース)では、自社商品の良さを一方的に強調するような施策(あからさまではなく結果的にだとしても)は、販売パートナーが取り扱う他の製品の売れ行きに影響をあたえることを懸念してなかなか受け入れてもらえません。

 

この場面でも、顧客にベネフィットを提供するというスタンスが突破口になります。

しかしながら、顧客のベネフィットを追求する施策は短期的にみると自社の売り上げに直結しないのではないかという疑念を持つ方も多いと感じます。長期的にみるとメリットがたくさんあることはわかるが、短期的にはどうなのかという疑念です。

 

顧客ベネフィットを追求しながら自社の売り上げにつながる施策は必ず存在します。  すぐに考え付くものでもないのですが、調査→施策の検討→議論を本気で繰り返すとコレだという施策が見えてくるものです。 まあたまにどうしても良い施策がみつからないということもありますが(なんかすみません)、検討しないのは最初から勝負を諦めていることと等しいので、必ず存在するという姿勢で取り組むことが重要です。

 

これは勝負事なので、自分が先行して有利に勝負を進めるのか、競合他社のマーケッターに先行されて不利な状態で対策をしいられるのかの違いは大きいのです。

 

まずはなんとしても小規模でも成果をあげる施策をひねり出す。 そして、顧客への理解を積み増すことで次の施策を有利に進めるという好循環を作り出していくというのがシンプルかつ強い方法です。

 

以上、今回は検討ポイントということで概念的な内容でした。

今後はその具体事例なども紹介していきたいと思います。